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68  井田の大グス  井上67番地

 今から 200年以上前に、この土地に井田神社があったという古い記録がある、大クスはその神木として今に残されたものと思われる。
 その大きさは、周囲が幹の下端で9.5メートル、目通りで7.8メートル、根ま
わりが29.1メートルあり、高さは1の枝まで4メートル、全長は24メートル、枝の張りは周囲の直径が32メートルにおよび、樹齢は700年と推定される。このあたりは、青谷屋敷ともいわれ、泉屋敷の留守居、谷馬之助の住んでいたところといわれている。附近に古塚があって土器が出たという記録もあるので、数百年前から神社があったことが想像される。
 なお、この神社の西隣は木綿麻日記で有名な竹光庵があり、名水柳の井は北に、ひびの水は東にあり、井上城跡は西高地台上にさらには高越寺、高越神社の鎮まる高越山は南西にそびえて、おそらくこの地は川田の政治、文化の中心地をなしていたのではないかと思われる。
 井田の地名については、川田邑名跡志の著者は、井田の税法の公田にこの地をあて、さらに支配者は従者の中央に住居を構えると考え、昔の支配者が住居を定めていたので井田と名づけたように説明しているが、井田はいいだで山手の田を表わしているのであるまいか。東側にこもだ(隠田一千拓地)があるので、それと対比したい。
 この大クスは、昭和44年8月6日に、山川町から天然記念物に指定されている。

井田の大グス看板

井田の大グス

井田の大グス